8月の暑い日が続く中で、今まで手を付けていないエリアに行ってみようとふと思い、GoogleMapとにらめっこをして、山梨県から埼玉県の秩父に抜ける国道141号沿いの秘境、山梨市「三富地域」の滝を選んでみました。
勢いで三富地域を選んでみたはいいけど、人生でおそらく初めて訪れる場所なので土地勘なんかは全くなくて、どんな観光名所があるかもわかっていませんでした。。。
そんな自分を助けてくれたのが「山梨市観光協会」が提供している下の絵。山梨市三富地域にどんな名所があるのかを理解するのにピッタリなので、三富地域を訪れる人がいれば是非活用してみてください。

この山梨市観光協会の絵を見ると三富地域には多くの滝がありますが、その中でも幹線道路(今回でいうと国道141号)から駐車場までのアクセスが良く、駐車場からも近い「名瀑一之釜」を選んでみました。(なんとなくで「名瀑一之釜」に行ってみましたが、違った顔を持つ「男滝」「女滝」「釜沢の滝」の3つの滝を楽しむことができたので、結果として選んで正解でした)
秘境、山梨市の三富地域

「名瀑一之釜」のある山梨市の三富地域には甲府駅方面から国道140号を車で向かいました。初めて通る道で、次第に笛吹川沿いの深いV字谷の中に進むことになったので、かなりの不安を抱きながら車を走らせていました。(予想以上に深い谷なのでここは本当に山梨県かと疑いたくなるほどで、深山幽谷とはこのことかと)
地図の上だと同じ山梨県の北杜市や長野県茅野市よりも東京・神奈川から近いのですが、高い山々に囲まれていて、建物も交通量も圧倒的に少なかったのでもっと遠くに来たのでは錯覚してしまうほどでした。。。
だからこそなのか、自然を使った観光地、名勝地がたくさんあり、名瀑一之釜の下流と上流にある「徳沢渓谷」と「西沢渓谷」や「大嶽山那賀都神社」あたりが有名ではないでしょうか。
駐車場とトイレ

一之釜には無料の駐車場が用意されています。ちゃんと区切られていませんが、10台から15台分ぐらいのスペースはありそうです。この時は土曜の夕方という人の少ない時間帯だったこともあり、車は少なかったですね。
実際に一之釜に行ってみて実感したのですが川遊びにをするには最高のスポットなので、ピークの季節で日中帯だともしかしたらもっと車がいるかもしれません。


トイレは駐車場のそばにあります。看板に従えば見えてきますが、あくまで「臨時」トイレなので期待しないように。。。(維持管理のための協力金ボックスがあったので、100円ほど入れておきました)

一之釜までのアクセス
駐車場から一之釜の入口まで徒歩で5分ほどです。アスファルトの道を歩くだけで辿り着けるのでアクセスの良さはピカイチ。





看板に書かれていた「釜の郷」という言葉。なんのことかとインターネットで調べてみたがこれといった情報は出てこずに終わった。

モヤモヤしつつも、たしかに三富地域には「釜」と名のつく滝がいくつか点在しているのはわかっていました。ここ一之釜より下流には「二之釜」という滝もあり、上流には観光地として有名な西沢渓谷の「七ツ釜五段の滝」などがあります。それに因んだのか地名も三富上釜口や下釜口とあるので、そういう町なのだろうと自分なりに納得しました。

絵にあるように一之釜は3つの滝を楽しむことができる珍しい場所です。笛吹川にかかる男滝、女滝とその支流となる釜沢の滝の3つですが、そのどれにも特徴があり、三者三様の滝が同じエリアにあるのは近いところで言えば「黒山三滝」ぐらいです。
どちらも行ったことがある筆者からすると、ここ一之釜のほうがスケールでもアクセスでも圧倒的に勝っていると断言できます。(いっそのこと『一之釜三滝』にしたほうがより魅力が伝わるのでは?)





入り口から一之釜までは一本道で迷うことはありませんが、滑りやすい箇所がいくつかあるのでスニーカーや運動靴で行くことをオススメします。ただ滝の近くでは川を渡るとより楽しめると思うので、ビーチサンダルやシャワーシューズを携行していくといいです。


吊り橋が見えてきたらちょっとした分岐になるので一度歩みを止めましょう。吊り橋を渡れば一之釜の男滝と女滝へ続きますし、吊り橋を渡らずに右に進めば釜沢の滝を望める観瀑台があります。(左方向は崩落により通行不可)





こっちは崖が崩落していて進めなくなっていた。なんかよく見ると奥に金属製の遊歩道があったので、以前はもっと奥まで行けただろう。
橋の上から見た女滝と釜沢の滝



男滝
吊り橋を渡ったらまずは男滝に向かってみました。吊り橋から降りただけでは見えてこないので、少しだけ上流に向かって進む必要があったので注意が必要です。



ほんの少し歩けば立派なゴルジュの中を勢いよく流れる直瀑が見えてきました。これが一之釜の男滝です。正直言って駐車場から徒歩5分程度でこれほどの滝を拝めると思っていなかったので、この男滝だけでお腹一杯でした笑
ちなみにこの男滝の滝壺は釜を表現しているそうですが、四方を岩に囲まれていてたしかに「釜」っぽさが無くはないかなと。
川の水も綺麗だったのでついつい滝壺近くまで泳いでみましたが、ゴルジュの中で閉所に似た恐怖を感じたのでそそくさと戻る羽目に。。。(これが釜か)
女滝
男滝とは打って変わって、落差の5mの女滝はおとなしい見た目をしています。
この女滝はきれいに階段状の滝で、一見すると人工の堰かなにかと見間違えるほど。
そんな見た目なので、岩肌はごつごつしておらず滑ってみたらプールのスライダーのようにイイ感じに滝壺まで落ちることができました笑

川遊びに来ていた子供たちが飛び込んだり、登ったりして遊んでいましたが、子供がはしゃぐにはいい場所だと思います。

滝壺には「女釜」という名前が付いていましたが、ここは透き通った笛吹川の水がエメラルドグリーンに輝き、流れも穏やか。
ゆっくりと腰を下ろせる場所もあり、一之釜で一番のお気に入りスポットかもしれません。

釜沢の滝

女滝から少し下流に降れば釜沢の滝の滝壺まで 行くことができます。川は深くなく、流れも穏やかなので簡単に滝の真下まで行けるかと思います。


釜沢の滝は落差が20m以上はありそうですが、勢いよく水が流れ落ちる男滝とは真逆で、細かな段を緩やかに水が落ちてきている滝です。
国土地理院の地図だと名も無い川にかかっている滝になっていますが、この一之釜エリアでは男滝に負けず劣らず雄大な滝です。(ただ木が生い茂っていて上まで見えないのが非常に残念)

釜沢の滝のさらに下流側は深い谷で川も深くなっています。ここで遊ぶの危ない気がしたので見るだけに留めておきました。(次からはライフジャケットでも用意しようかな)
山梨県の深山幽谷にある道を進んだ先に待ち構える名瀑一之釜。それは男滝、女滝と釜沢の滝の三者三様の姿を持っていました。
山梨県とはいえ県境にある辺境なので見物客は自分たちだけで、静寂の中で滝と川の流れる音を堪能することができ、だいぶ気持ちが落ち着きました。
久しぶりに山梨県の滝を訪れましたが、実は山梨県って立派な滝が少ない上に、あっても一車線の狭い道を進むか、駐車場から歩いて何十分という山奥のパターンがほとんどなんですよね。。。
その山梨にあってこれだけの立派な滝を3つも一緒に堪能できて、アクセスも良いのは他のスポットに無い大きな魅力。なのでもっともっとアピールして、できたらもう少し整備もしてほしい(特にトイレ。。。)
色々と偉そうに注文を付けましたが、個人的にはずっと気になっていたエリアの魅力を知れたのは大きな収穫で、次は同じ三富地域にある「徳和渓谷」と「西沢渓谷」の滝を攻めてみたいと思います。それではまた!
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