山梨県北杜市。この町の名前を聞くだけで気持ちがはやり、ほんの少しだけ望郷の念に駆られるのはおそらくは自分だけではないだろう。
自然がとても豊かで、八ヶ岳や南アルプス、尾白川渓谷など名勝地を上げればそれこそキリがありません。目につくすべてに感動するというのは少し大毛袈裟かもしれないが、それでいて東京・神奈川からのアクセスも良いので、移住者や二拠点生活の場としてメディアに取り上げられている。とにかく欠点が無い地域なのが北杜市で、かくいう自分も時間を見つけてはこのエリアの滝、湧水や公園をGoogleMapで調べています。(今回訪れた「大滝湧水公園」も行きたかったけどその機会が無かった場所の一つでした。)
休日で行くアテが無かったのでとりあえず北杜に行ってみようという、そんなノリで来るのはもう何度目になるかわからないですが今回は湧水スポットで有名な「大滝湧水公園」に行ってきました。
八ヶ岳南麓高原湧水群について

北杜市のHPにあるように山梨県北杜市は名水の町として県内外から認知されていて、自ら「日本一の名水の里」と謳うほど。その北杜市の中でも八ヶ岳の南麓にはここ大滝湧水公園と「三分一湧水」、「女取湧水」など50か所以上の箇所で八ヶ岳からの伏流水が湧き出ていて、それらをまとめて「八ヶ岳南麓高原湧水群」という名前で当時の環境庁によって「昭和の名水百選」に選ばれている。
なるほど有名な湧水ポイント以外にもあるのかと気になったので、大滝湧水公園の紹介に入る前に、「八ヶ岳南麓高原湧水群」と言われる湧水ポイントがどこにあるか、インターネットの情報とGoogleMapを駆使して作成したマイマップで紹介させてください。
マップを見てみると標高1000m〜1100mのあたり、JR小海線沿いにいくつもの大きな湧水ポイントがあり、並行している道路も「泉ライン」といあるので、このライン上が溶岩の末端になっているのかもしれない。(静岡の三島市と似た感じかなと思った)
また泉ラインほどではないが、1600mの付近にも延命水や三味線滝、川俣川上流の小滝などあるのでここも湧水ラインなのかもしれないが、これ以上の地図情報がなかったので何とも言えず。。。それ以外にも以前に紹介した吐竜の滝や女取湧水が多くの湧水ポイントがあることもわかり、八ヶ岳周辺は一大湧水スポットなのだと理解できた。
駐車場とトイレ
大滝湧水公園の駐車場には10台ぐらいは停めれるスペースがありますが、道路の幅が狭く奥は突き当たりになるので出入りにバックと切り返しが必要。ちょっと手間ですがバックで進入するがおすすめかと。駐車場のすくそばに公衆トイレも用意されていてありがたいです。
ちなみに湧水を汲みくる地元の車がひっきりなしにやってくるのでタイミングによっては車が止めれないこともあるかもしれない。



ちなみにですが湧水を汲みに来るには上記の駐車場のほうが汲み場に近いので便利ですが、単に大滝湧水を観光するだけなら「レストラン大滝湧水」の駐車場に停めてもいいかもしれない。
大滝湧水のシンボルみたいな樋
公園の敷地に入ってまず目に引くのは、大滝神社を背に、丸太の樋から勢いよく流れ落ちている湧水です。現地の案内看板によるとこれが八ヶ岳からの伏流水で、その量は一日に22000トンにもなるとのこと。
また水温が年間を通して12℃で安定とあり、足を水に入れてみるとたしかにちょうど良い冷たさ。これぐらいの水温なら足を長いこと水につけていられる。(この後向かった「高森大泉湧水」はとんでもない冷たさで1分も足をつけていられないほどでした笑)
この大滝湧水の水は地域の生活用水や農業用水として利用されている他に、湧水脇にあるわさび田やニジマスの養殖や釣堀に利用されていた模様。


丸太の樋のそばにある湧水ポイント。ちゃんとした案内があるわけではないが、地元の人がひっきりなしにタンクを抱えて水を汲みにきていた。あまりにも気になったので、ある人に少し話を伺ったところコーヒーや炊飯に使用しているとのこと。なんて贅沢で羨ましいことを。。。
湧水や滝めぐりを始めてもう数年が経とうとしているけど、こういう場所に来るたびに水タンクを携行するべきかいつも悩んでいる。

湧水を使ったわさび田
湧水スポットでよく見かける水わさび栽培が大滝湧水でも行われていました。なんでかわからないけど湧水とわさび田って見ているだけで気持ちが落ち着くんですよね。ちなみにネットで調べてみると、ここで栽培されたわさびは近くの小淵沢駅に売られているらしい。(気になったので近くを通ることがあれば確認してみます)


大滝神社
大滝神社の手水舎にあたる場所。境内でよく見る建屋ではなく、湧水以外に何も人工のものを使っていいないところに大滝神社が湧水を上手にアピールしていると感じました。透き通っている湧水のおかげで大滝神社に参拝をする前に心身ともに清められるではないかなと。

境内のちょうど真横に先ほど見た湧水の樋があり、樋の中を勢いよく流れる湧水を見ることができるのは素敵。水路を流れる湧水はどこで見ても良いものだと思う。




丸太の樋の真横に建っている大滝神社の社殿。こじんまりとしていますが、水の流れる音が響く鎮守の森の中でほんのりと厳かな雰囲気を纏っていました。


釣り堀跡地
大滝神社のそばには釣り堀の跡地があります。営業を止めてから長いこと経っているため、藻が大量繁殖していて正直見れたものではありません。。。
営業していれば、綺麗な水の中を泳ぐニジマスを眺めることができたのかと思うと非常に残念です。(ちなみにこの釣り堀とレストランはJA梨北によって運営されていて、HPにもその情報跡が残っていた。再開しないかなー)


釣り堀の跡地からさらに「レストラン大滝湧水」に向かって歩くといくつか池が見えてきます。木々の陰にあるためか藻が全く繁殖しておらず、水質は綺麗に透き通っていました。(特に目立った特徴がある池でもないのに、底まではっきりと見える様は少し異様にでした)


レストラン大滝湧水の跡地
斜面沿いの林道をさらに進んでいくとレストラン大滝湧水の裏手に出ます。このレストランの真横にも大きな湧水池があり、以前はニジマスが飼育されていたようですが、釣り堀と同様に手入れがされていないため日が当たるところは藻が大量に繁殖していた。


これはテラスかなにかの跡なのだろうか。だいぶ老朽化していて床も至るところに穴が空いていたため、トラロープとビニールシートで閉鎖されていました。以前はここで食事ができたとすると、なんて素敵なことか。

テラス跡のそばで水が湧き出ていました。このあたりは藻もいなくて、底までくっきり見ることができました。
あまりにも水が綺麗だったので試しに足をつけてみましたが冷たくて、たまらずにすぐに水から出る始末。このテラス跡は個人的には大滝湧水の良スポットだと思うので是非オススメしたい。

テラス跡と湧水の池をひとつの写真に収めてみましたが、ため息がでるほど素敵な空間でした。けどどうしてこの場所がそんなに知られていないのか疑問を抱きつつ、身勝手ながらももうちょっと頑張って整備してほしい思った。



レストラン大滝湧水、釣り堀ともにJA梨北が管理・運営を担っているようだが、どちらも営業を止めて長いこと経過していると思われる。コロナ禍で休業してからそのまま閉まっている感じかな(以下のURLは過去ページを参照しているだけで現在は削除されている)

大滝公園
大きな湧水池があり、それを囲うようにベンチや遊歩道があります。活気があった頃はそれは素敵な風景だったと思われますが、レストラン大滝湧水や釣り堀と同様に人の手が入らなくなってだいぶ時間が経っているようです。


線路の下を通るトンネル

大滝湧水のそばにはJR中央本線が走っています。その真下に歩行者用のトンネルが掘られていたので、ちょっと覗いてみました。
トンネルに入ってすぐに感じたのがとにかく涼しいこと。真夏の炎天下だというのにトンネル内はひんやりと冷たく、風も少し吹きこんでいたので半袖では少し冷たいぐらいでした。天然の冷蔵庫の中にいるような感覚を覚えましたね。
そしてこのトンネルを出た先では南アルプスの山々と北杜市小淵沢の田園風景が待ち構えていました。湧水を見るだけだと思っていましたが、この景色には良い意味で裏切れた気分でした。(冒頭で言った北杜では目につく全てが素晴らしいというのは、あながち嘘ではないかも)




湧水と聞くと真っ先に思いつくのは富士山麓の静岡県富士宮や三島、山梨県の忍野村あたりだと思います。それがまさか八ヶ岳のエリアにもこれだけの湧水スポットがあるとは思ってもみなかったので、嬉しい発見でした。大滝湧水以外にも三分の一湧水や女取湧水もおって紹介していきますのでお待ちください。
それではまた!
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