棚下不動の滝【滝駐車場〇トイレ〇】〜 はじめての裏見の滝と美しい河岸段丘

暇だったこともあり、なんとなく群馬まで足を伸ばしてみました。

特に行きたいとこもなかったので、前々から気になってにいた川場村の兜滝を目的地にしてみた。

で、その道中に日本の滝百選に選ばれた滝があったのをふと思い出したのでついでに行ってみることに。

向かった滝の名前は日本の滝百選に選ばれている「棚下不動の滝」。関越道で前橋・高崎あたりから沼田へ向かうちょうど真ん中、赤城山と子持山に挟まれた谷にそれはあります。

棚下不動の滝とだけ書くと語弊があり、実はこの滝は「雄滝」と「雌滝」の2つの滝のことをいい、百選に選ばれたのは雄滝のほう。棚下不動の滝と検索すると雄滝の記事がほとんどなので、この記事でも雄滝のことを棚下不動の滝と呼ばせてもらいます。

棚下不動の滝の姿形は赤城山の溶岩と利根川の浸食で形成された直瀑です。落差は37mと大きめの滝になるが、それ以上に目を見張るのは綺麗にくり抜かれた窪みが滝の真裏にあること。俗にいう裏見の滝となっています。

その堂々たる姿に反して、度重なる災害の被害に見舞われていることか後でわかった。そのたびに遊歩道が使えなり、閉鎖の憂き目にあうという厳しい環境にある棚下不動の滝。(最近だと令和元年6月の大雨の影響によってそれまでの遊歩道が崩落していたとのこと)

棚下不動滝の入り口にある案内看板

駐車場(不動明王坐像)

棚下不動滝の駐車場の入り口
駐車場の入り口
棚下不動滝の大型車の駐車場
たぶんバス用の駐車場
棚下不動滝の普通車用駐車場
こっちは普通車用

棚下不動の滝の駐車場に行くには、GoogleMap上の「不動明王坐像」を目指して進んでください。(駐車場にあるこの像は2011年の東北大震災で転がってきた岩をもとに彫られたとのこと)

全部で20台近くは停めれそうなスペースがあり、道路を挟んだ先には大型バス用のスペースもあります。

ただし写真を見るかぎりだと広いスペースがあるように見えるが、この岩があるせいで変則的な駐車しかできない。

また駐車場のすぐそばにはトイレがないので、棚下不動の滝に向かって少し進む必要があります。

棚下不動滝の駐車場に観光バスが停まっていた
帰りに観光バスが停まっていた
棚下不動滝の入り口にある鳥居
入り口にある鳥居。この時期は桜が綺麗でした

棚下不動の滝(雄滝)までの道のり

駐車場の鳥居をくぐると登り道が始まります。5分ほどで登りきれる。

棚下不動滝への登り道
棚下不動滝への登り道

利根川の蛇行を一望できる場所

登った先にある切通しに小上がりがあり、そこから利根川がぐっと蛇行している景色を一望することができます。

棚下不動滝へ至る道にある切通し
切通し
利根川を一望することができる場所
小上がり。ここからの景色が絶景

利根川の奥に見えるのは「子持山(標高1296m)」で、その手前をJR上越線が走っています。真後ろが赤城山と断崖なので、この棚下地区は山と川に挟まれた狭小な土地なのだと思った。

棚下地区で利根川と子持山を一望
右が上流。

ここから雌滝を見ることができます。遠くからみても雄大さは雄滝に引けを取ってないです。

雌滝は遊歩道のたぐいが整備されてなく、道なき道の薮を漕いで滝下まで進むしかないのが少し残念。(機会があれば雌滝のほうも見に行ってみたい)

切通しから見た棚下不動滝の雌滝
棚下不動滝の雌滝のアップ
雌滝。この時は枯れていた

この雌滝の方向を見ると紅白の鉄塔の下を垂れ幕のように岩が広がっているのがわかる。利根川の浸食で河岸段丘が形成されたことでこの横一閃の美しい段丘崖が見れる。棚下不動の滝は段丘面の赤城高原からのこの崖を伝って水が落ちてきてる。(こうして見ると崖という棚の下にある地域だからに棚下なのだろうか?)

河岸段丘と聞くと上流の沼田市が有名ですが、このあたりも同じで個人的にはこちらのほうが好きかもしれない。

棚下地区の河岸段丘
河岸段丘の段丘崖

トイレと東家

切通しを進むとトイレと東屋が見えてきます。トイレは水洗式で綺麗にメンテナンスされていて、使うには問題無いです。ありがたいです。

棚下不動滝のトイレ
トイレ
ここから棚下不動の滝を望むことができる

鳥居の先にあるのは「大岩山不動堂」。以前はお堂の脇を通って滝に行けたが、2011年の東日本大震災で参道が崩落したので通行できなくなったとのこと。その後左岸に新たに参道が作られたがこれも災害で度々被害を受けているとのこと。どの滝も似たような状況だか、二度と行けなくなる滝が出てきてもおかしくないのではといつも思う。。。

東家から棚下不動滝を一望することができます。ここから滝まではひたすら登りとなるのでがんばりましょう。

お気に入りの一枚

東家から棚下不動の滝まで

遊歩道の起点となる看板があるのでそこから滝まではひたすら登りです。歩き初めのうちは手すりと階段が整備され歩きやすいが、半分くらい登ると地面が剥き出しの山道なので足元が安定しない。

このあたりから道が悪くなる

高さ20m以上はあろうかという段丘崖。あまりの高さに崖が迫ってくるような錯覚を覚えます。遠い昔にはこの高さまで水位があって利根川の浸食作用がこれを作り出したと思うとすこし感慨深い。

尖った岩。モアイ像に少し似てる気がする

棚下不動の滝(雄滝)

東家から5分ほど登って棚下不動の滝に到着。裏見の滝を初めて見たのでだいぶ興奮しました。

案内看板によると滝の落差は37m。崖と洞窟を背にして、綺麗な一条の線を描いて流れ落ちている姿は雄大。

滝の裏側がごそっと削れ、小屋がおけるほどのスペースがある。これも利根川の浸食作用のせいなのか。裏に行くこともできるがだいぶオーバーハングしているので、いつか崩れてきやしないかと少しヒヤヒヤしました。

オーバーハングした裏側の天井に窪みがあり、そこよく見るとなんと大小の岩が引っ付いてるよう!なんで落ちてこないのか不思議というか不気味で、どういう地質なのかさっぱり理解できませんでした。。。

天井の窪みを注目
理解が追いつかないとはこのこと。。。

棚下不動の滝は落差のわりには滝壺はそんなに深くない。水量が少ないせいだろうか。そのためか白装束を着て滝行をしてるグループもいました。

以前はこの鳥居を通るルートが滝への参道となっていたが、崖の崩落で使えなくなった。この写真から見てわかるように棚下不動の滝ではそこらじゅうに大きな岩が転がっていて、よく遊歩道が閉鎖される理由が理解できた。。

日本の滝百選の一つで、その中でも珍しい裏見の滝でアクセスも良い。高崎や伊香保から沼田・川場方面への途中なので吹割の滝と比べてて知名度は低いし、観光地として開発されているわけでもない。それでもあちらと比べても滝としての魅力は劣っている訳ではないと思う。

もっと多くの人に知られてほしい滝の一つだけど、周辺に目立った観光地が無く、関越道を下りてまで来るかと言われるとちょっと厳しい。。。(なんとか滝を観光資源として活用できないかいつも考えている笑)

このあとは川場村の滝なんかを紹介したいと思います。それではまた!

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